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SS 午睡

ハルに捕まっているレイフロを見て思いついたネタです。オチ無しかも。



昼間、中天で輝いていた太陽が時間と共に西に傾き、眩しいばかりの光が柔らかく変化する。
朝から力一杯遊んだ後、遅めのご飯を食べると眠くて眠くて起きていられなくなる。
暖かいベッドに横になると直ぐに夢の世界へ旅だった。
物語の世界で竜を倒していると、ふと名前を呼ばれた気がして、意識だけが現(うつつ)に戻りかける。
大好きな人が側にいる事に気付き、直ぐに起きようとしたが、余りに眠くてなかなかに困難だ。
穏やかで優しい声が何度も名前を呼びながら、くすくすと小さく笑う声がする。
暖かで大きな手が何度も髪を撫でてくれた。
重い瞼の上に柔らかな陽の光がそそぎ、暖かな場所で好きな人の側で暖かな気持ちで微睡む。
まだ何の憂いも無い時代、ただただ幸せの中に身を浸していた。
小さな小さな子供の頃の話だ。
長じてからも柔らかな午後に転た寝をすると、幼少時の幸せな時を思い出せた。
遠くなってしまった時を想い、優しかった思い出を噛み締めた。
今は遠い過去の記憶。

「お目覚めですか?」

小さな子供の声がする。外見は年端もいかぬ子供だが、声は老成している。

「微笑まれていましたが、良い夢でも見ていたのですか?」
「夢はともかく目覚めは最悪だ」

自分の幼少の頃とうり二つの姿をした少年が側に立つ。
彼がどれほど無邪気に微笑えもうと、その奥にある暗い本質を隠すことは出来ない。
夜に生きる吸血鬼となって、明るい午後の日の光の下で微睡む事はなくなった。
この夢を見たのは久しぶりだ。
今となっては殆ど思い出さない心の奥底に閉じられていた記憶だ。
それが今になって揺り起こされたのは、たぶんこの偽物の日の光のためだろう。
ハルの地下施設に閉じこめられて数日。
暮らしは快適だが気分は最悪だ。
吸血鬼になって以降見なかった夢を見た。

「どんな夢を見ていたのですか?」

小柄な少年は興味深げに顔を覗き込んでくる。
歴史の表に出た僅かな記録を貪欲に集めているコレクターを喜ばせる情報を与えたく無い。

「さあな」

レイフロは不機嫌な表情でベッドから起き上がり周囲を見回した。
気温調整は完璧で寒くも暑くもない地下室は、偽物の太陽光が輝き偽物の植物が植えられていた。
世界のどんな場所の気候も再現出来るのか。
偶然なのかもしれないが、日の暖かさ、風の流れも遙か昔に肌で感じたそのものだ。
この場所で思い出したくはなかった。
夢が幸せであればあるほど、現の世界が辛くなる。
幸せだった頃の自分と同じ姿で悪夢が寄り添う。
過去を集めてもどうにもならないのに。
生きている亡霊の檻から絶対に逃れてやる。
自分を助けようと一人で奮闘する可哀想な子供のためにも。
我が子がこれ以上苦しまないためにも。



ハルの監禁場所の疑似空間を見て思いついたネタです。ぐだぐだした感じになってしまいました。すみません。それにしてもvassaSSを書いたのは半年ぶりだったんですねー。

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