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オリジナルJUNE・僕は魔法使い3

続きです。



「ネットでそういう話をしているのを読んだ事はあるけれど、ただのあったら良いなーみたいなネタだろう」
「あらー、SFアニメがお好きな割に頭が固いんですね」
「放っておいてくれ」

確かに僕はSFアニメが好きだ。今でもSF小説や漫画を買っているし、アニメだってたまに観ている。
三〇にもなってまだそんなものが好きなのかと言われるのが怖くて、家族は知っているけど周囲には隠している。
もちろん恋人にも内緒だ。

「何千何万人ものオタク達が、あったら良いなと何年も願い続けてきた結果、童貞魔法使いが誕生したんですよ。強く願うといつか叶うっていう設定、例えば宇宙から攻めてきた敵と戦う主人公のために世界中の人達が祈り奇跡を起こすみたいな話は、貴方も見た事があるでしょう。だから希望は捨てないで下さい」

言葉だけはとても前向きだがそこはかとなく失礼な言葉が並べられている気がする。

「オタクが願ったから君の外見はそんなエロゲーキャラみたいなのか?」 二次元キャラのコスプレのような。
「はい。髪の色と髪型、瞳の色、胸のサイズ、名前は変える事が出来ます。変更されますか?」
「いや、今のままで良いよ」

どうせすぐに出て行って貰って一生再会するつもりはないし、と考えかけてふとあることに気が付いた。

「まて、まてまてまて。三〇過ぎの童貞が魔法を使えると言ったな。僕には恋人がいるし、特別モテはしなかったがそれでも過去には何人かと付き合った事がある。セックスの経験があるから魔法は使えないんじゃないのか?」
「いれましたか?」
「はっ?」
「誰かに挿入しましたか?」
「!」

僕はゲイでいわゆる受け身しかしたことがない。確かに女にも男にも挿入した事は無かった。

「恋人がいるのにいれたことがないということは、雅秋さんは同性愛者なんですか? 同性愛者でも挿入していれば資格はありませんよ」

いらんところで己の性生活を第三者に知られてしまい、密かにダメージをくらった。

「私がここに召喚されたということは、貴方はどこに出しても恥ずかしくない立派な清々しいほどの童貞だからです。でも童貞であることに絶望しないで下さい。そのお陰で貴方には魔法を使う権利が与えられたのですから」

何度も童貞を繰り返さないで欲しい。
ダメージの上から鋭い矢でぐさりと刺された気分だ。

「魔法を使える権利は誰でも与えられる訳ではないんですよ。大変貴重な権利です。権利を与えられる条件は四つあります。一つ目は童貞であること。二つ目はオタクであること、三つ目は犯罪歴が無いこと、四つ目は自活していることです。そのどれも破られれば魔法が使えなくなります」

案外堅実は条件だなと思ったけれど、堅実ゆえ魔法使い候補者は結構いるんじゃないか。

「少ない理由はですねー。美優がその方のところに訪れても半数以上は二時間もすると資格を失ってしまうからです」

それってどういう意味だ? まさか今みたいに裸で登場して、勘違いした男に…という意味なんだろうか。急に生々しくなってきた。
返答に困る僕の前で、女の子は俯き何かに耐えるような表情になった。
急にシリアスな空気が漂ってくる。

「そんな格好で出なければもうちょっと資格者は増えるんじゃないかな」
「でも美優の姿はオタクの憧れの形ですから。美優がしたくてこの格好をしているわけじゃないんですよ」

僕は焦った。
これほどの美少女が親しく近づいてきたら、うっかりその気になる男も出てくるに違いない。
でもいくらその気になっても出会って数時間の女の子を襲うなんてちょっとどうかと思う。
脳天気な言動をしているが、彼女も辛い思いをしてきたんだろう
女の子を慰めるのは苦手だけど、何とか元気づけてあげないと。

「そうか。それは大変だったね。取り敢えず僕はゲイだし。そんなことはしないから、ここにいたら大丈夫だから。だから安心して」
「雅秋さんっ」

いつの間に名前呼びが定着したのか。
女の子は思いあまったように立ち上がり飛びついてきた。もちろん裸のままだ。
大きな胸がぐいぐい押しつけられ悲鳴を上げそうになったがかろうじて堪えた。
ここで傷ついている女の子を押しのけてしまったら鬼だ。

「大変だったね」

女の子の両肩に手を置き慰めようとした。

「……………ここで残ったもう半分が脱落するんですけれど、雅秋さん本当ーに女の子に興味が無いんですねv」

こいつは悪魔かっ。
女の子はけろっとした顔で笑った。禍々しい笑顔だ。
僕は遠慮なく女の子を押し戻した。

「そもそもどんな魔法が使えるようになるんだ?」

さっさと説明を聞いて早く女の子を追い返したい。
魔法の力がたいしたことが無いのなら、魔法を持ったままでも普通に生活すれば良いし。

「はい。魔法は十種類の中から選ぶことが出来ます。まずは一ヶ月ほど試用期間を設け使い心地を試し、最終的に一つの魔法を選びます。良心的でしょう?」

何事も無かったように女の子が話し始めた。

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